「朝起きて最初の一歩で、足裏がズキッと痛む」「長く立っていると足の裏がジンジンしてくる」——足底腱膜炎の方がよく訴えられる症状です。酷い方は毎朝まともに歩けるようになるのに1時間程かかるという方もみえます。
今回は、足底腱膜炎というものに対して私がどう考えているのか、私なりの考えをお話ししていきます。
足底腱膜炎は、足の裏の“弓の弦”にかかる負担
足底腱膜炎のやっかいなところは、「足の裏そのものが悪くなった」ように感じても、実際には毎日の体重の受け止め方の積み重ねが背景にあることが多いという点です。
足の裏には、かかとの骨から足の指の付け根に向かって扇状に広がる、足底腱膜という厚くて丈夫な膜があります。足のアーチ(土踏まず)は弓のような形をしていて、足底腱膜はその弓を下から支える“弦”のような役割をしています。立ったり歩いたりするたびに、アーチがわずかにつぶれて弦が引っぱられ、体重を受け止めているのです。
この引っぱられる負担がくり返しかかると、足底腱膜がかかとの骨にくっついている部分(付着部)に小さな傷みが重なり、痛みが出てきます。これが足底腱膜炎です。寝ている間や座っている間は、足底腱膜やふくらはぎが縮んだ位置のまま負荷が抜けた状態にあり、そこから急に体重をかけて引き伸ばされる朝の一歩目や、座った後の歩き出しで痛みが出やすいのが特徴です。

「足の使いすぎ」だけではない、背景に目を向ける
足底腱膜炎の多くは、足の裏への機械的な負担の積み重ねで起こります。一方で、次のような背景で起こりやすくなることも知られています。
- 長時間の立ち仕事や、急に歩く量・走る量が増えたとき
- 体重の増加(足の裏が受け止める負担そのものが大きくなる)
- 足首の硬さ(足首を反らす動きが小さいと、そのぶん足の裏が引っぱられやすくなる)
- 扁平足や、アーチが高すぎる足などの足の形
また、かかとや足の裏の痛みは、足底腱膜炎だけが原因とは限りません。かかとの骨の疲労骨折、足首の内側で神経が圧迫される足根管症候群、脊椎関節炎や関節リウマチといった炎症性の病気でも、似た場所に痛みが出ることがあります。
体重をかけられないほどの痛み、腫れや熱感が強い、安静にしていても痛む、しびれや感覚の鈍さを伴う、腰やお尻からふくらはぎにかけて痛みやしびれがある、複数の関節が痛む・発熱があるといった場合は、まず整形外科の受診をおすすめしています。
私が考える、足底腱膜炎へのアプローチ
そのうえで、負担の積み重ねを背景とした足裏の痛みに対して、私がどう身体を診ているのかをお話しします。ポイントは、痛む足の裏の一点だけを見ないことです。
実は、体重を受け止めているのは足底腱膜だけではありません。ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)や、足の指を曲げる筋肉(足趾屈筋群)も、地面を踏みしめてアーチを支え、足底腱膜にかかる負担を分け合っています。これらの筋肉がしっかり働かないと、そのぶんの体重や機械的ストレスが全て足底腱膜に集中してしまいます。
では、なぜ筋肉が働けなくなるのか。ここで私が大切にしているのが、筋肉に指令を届ける運動神経の視点です。下腿三頭筋や足趾屈筋群を担当しているのは脛骨神経という神経で、もとをたどると腰の下部から仙骨にかけての神経(主にL5・S1・S2)につながり、膝の裏からふくらはぎの奥を通って足の裏へと向かいます。私は、腰や膝下の骨格の並びが崩れて神経の通り道に負担がかかると、足の筋肉に力が入りにくくなり、めぐりめぐって足の裏の痛みにつながることがよくあります。
実際に先日ご来院されたクライエント様も、第5腰椎と、すねの骨(脛骨)のずれによって、ふくらはぎと足の指の筋力が低下していました。腰と膝下の矯正を中心に施術を行い、1回目の施術後には痛みが7割ほど軽減し、2週間に1回・計5回の施術で足裏の痛みが緩和したとのご報告をいただいています。詳しくは足底腱膜炎の症例ページでご紹介しています。
もちろん、すべての足底腱膜炎の原因が腰や膝下にあるわけではありません。足首や足の関節の動き、ふくらはぎの硬さ、立ち方や歩き方のクセなど、足の裏に負担を集めている要因は人によって違います。だからこそ当院では、足の裏から頭まで全身を評価し、その方の負担の出どころを探していきます。
インソールやストレッチで変わりにくいと感じている方へ
足底腱膜炎は、ふくらはぎや足の裏のストレッチ、足に合った靴やインソールなどのセルフケアで、時間をかけて落ち着いていくことが多いとされています。
ただ、「ストレッチを続けてもぶり返す」「インソールを変えても痛みが残る」という方もいらっしゃいます。セルフケアは足の裏の負担を減らす助けになりますが、負担の出どころが腰や膝下など別の場所にある場合、足の裏だけを整えても変わりにくいことがあるためです。そうした方には、筋肉の働き・骨格の並び・神経の通り道までを一度整理し、身体の状態を客観的に把握してみることをおすすめします。
解剖学や神経学をはじめとした西洋医学的な視点を土台に、全身を評価し足底腱膜炎の痛みの背景に多角的にアプローチします。
長く足裏の痛みに悩まれている方、現在の対処法に限界を感じてみえる方は、一度ご自身の身体の状態を整理してみることをおすすめします。気になる点があれば、ご来院前でもLINEやお電話でお気軽にご相談ください。
あなたが足の裏の痛みに振り回されない毎日が見つかることを願っております。
三重県亀山市の整体院Derive ☎080-1560-8594
